2015年1月11日日曜日

きたかぜとたいよう(要約) ウサギとカメとトコちゃん/所ジョージ

ある日北風は、いつものように、ピープーピープー、肩で風をきってふいていたんだとさ。
その北風に、肥をかける、きたないヤツがおりました。おいおい、それは声でっしゃろ。

なんやかんやあって、北風と太陽は勝負することになりました。北風は、
「旅人がコートを着てる。あのコートを、どっちが先に脱がすか、これが勝負だ。いいな」
「かしこまりました」
ともかく、このけんか、先行は北風に決まった。

北風は、自分の風力にものをいわせて旅人のコートを吹き飛ばそうとした。
しかし旅人は、
「この風で、コートを吹きとばされては、寒くてかなわん」
と、コートのエリを必死で握りしめて、押さえた。結局、旅人のコートは、吹きとばされなかった。
「今度は、私の番ですね」
太陽は、ひたすらめじめに、旅人を照らし始めた。
「いやあ、いい陽気になった。コートなんかいらんなァ」
といったかと思うと、デロリンコシャンとコートを脱いだ。

北風は、負けてヤケになって、さっきの3倍くらいの風を、旅人にぶつけた。
転がる旅人。血まみれと化した。
しかし、北風は攻撃をやめず、旅人は転げ回りながら全身の骨という骨を全ており、全治十数年の傷を負い、北風は、傷害罪で逮捕された。

北風がシャバにいなくなったおかげで、世の中はホノボノとした日々が続いた。
そんな平和な日々に人々は、すっかりバカになってしまった。
そんな日々をうち破ったのは、やはり北風だった。北風は刑期を終えて、出所したのだ。

「オレは、昔のオレじゃねェぜ」
北風は、自信まんまんだった。太陽に勝つ方法をみつけたからだった。
そのルールとは、言ってみれば簡単なことだった。
「どっちが先に、旅人にコートを着せるか」
どうして、こんな簡単なことに気がつかなかったのかというくらい、簡単なルールで、北風は、太陽に圧勝した。

その後、世の中には北風が吹きまくった。これが世にいう、氷河期のはじまりの一席でありました。
おそまつ。


教訓!
ルールは自分が勝てそうなルールがいいよ。

・出典
ウサギとカメとトコちゃん/所ジョージ、p125~137(要約)

関連場所、商品

0 件のコメント:

コメントを投稿