2015年1月29日木曜日

自分の利益 忘れて捨てて許す生き方/塩沼亮潤

 「人に何かあげるとき、お礼を言ってもらおうとか、見返りを求める気持ちはよくないことなんだ」
 私はハッとした。いまも鮮明に覚えています。
 そういえば母は、私が高校生の頃、こんなことも言っていました。
 「友達とつきあうときには、いっさい自分の利益を考えてはいけません」
 正直にいえば、そのときはその言葉の意味がよくわかりませんでした。また、母はそんなことを言ったなんてとっくに忘れているかもしれません。しかし私はその言葉を胸に深く刻んで、人間関係で何かあるたびに思いだして、今日までの人生を歩むことができました。感謝のほかありません。
 生きていく上で大切なことは、出会った人や向かいあっている人のことをいかに深く思って、自分自身の言葉や優しい笑顔で答えてあげるかということです。(中略)
 世の中には「世のため人のため」としょっちゅう口にする人がいます。しかし私のお師匠さんはこう言っておりました。
 「世のため人のため、と一日に何度も言って生活しているやつに、ろくなもんはおらん」

・出典
忘れて捨てて許す生き方/塩沼亮潤、日々を生きる、日常が行、p136,137

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