私がまだよちよち歩きの子どもの頃、ストープを触ろうとしている私に、
「これはね、熱くて危ないんだよ」
と母は言いました。そして私の手を持って、ストーブの橋のほうのあまり熱くないところに、ほんの一瞬、
「ほら、どう?」
と軽く触らせ、それで私が触ると、
「熱い!」
と言ってあわてて手を引っこめた。私はやがて、これは熱いものだと自分で理解したのか、二度とストーブに近づかなくなったというのです。
修行も同じで、実践的な認識を通して会得するのが一番の近道です。いくら書物を読み、頭で考えても、理論ではわかるが実感も実行もできず、つまづいてしまいがちです。実際に熱いものに触って熱いと思い、氷水に手を入れて冷たいとわかるように、自分で体験しなければならないのです。
・出典
忘れて捨てて許す生き方/塩沼亮潤、人生って何だろう、今日より明日をもっと楽しく、p28
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