平成三年にはじまった千日回峰行も平成の十一年に終わり、平成十二年には四無行を行じて、そののち仙台に帰ってくることになりました。
みなさんは、学校を卒業し、成人し、社会人として、これまでずっと社会の荒波に揉まれていらっしゃる。しかし私は学校生活からそのまま、塀に囲まれた規則正しいお寺の生活になり、しかも私はたったひとり大自然の中を毎日歩いていた。いってみれば世間知らずの人間です。それが仙台の秋保の地に帰ってきた。
修行で体得したことはたくさんあります。自分の心を見つめ、自分の弱さ・欠点をよく反省して、こういう場面では心がこう動くから、こうすればよいなど、多くのことを知りました。また、お経の本に書いていることも、ひととおり頭に入っている。しかし、頭に入っているだけでは物知りであるにすぎず、実践しなければどうにもなりません。
「山の行」と「里の行」があるとすれば、「里の行」とは、「山の行」で得た知識を里の実生活のなかにいかにいかしていくかでありましょう。
・出典
忘れて捨てて許す生き方/塩沼亮潤、人生ってなんだろう、行の心、p10,11
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