ところが、その隣にある古い方の万代橋は大丈夫だったのです。私は橋の構造についての専門的な知識はありませんけども、この話から現代人はどうも見えざるものへの努力等ものが不足しているのではないかというふうに思えます。
目に見えるところだけ綺麗に、華美にかざりたてる。見てくれはよいが、中身はカラッポ。そんな差が古い橋は大丈夫なのに、近代建築の粋を集めたはずの新しい橋が駄目だったということになったのではないかと思います。
見えないものに向かって無限の努力をする、見えないところを大切にする、それが宗教心です。そういう宗教的な心を大切にした私たちの祖先が、法隆寺、東大寺、薬師寺など、あの上代の輝かしい世界的な文化を作り上げたのです。その根源の精神、宗教的な心がそれを謳いあげたのです。
・出典
心/高田好胤、第 Ⅰ 章 心に種をまく 見えざるものへの努力、p34,35・関連場所、商品
新しくできたものが、過去にあったものより素晴らしいかというと、必ずしもそうではないということがこの話で分かる。
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