先日、ある会社の事務所にお伺いしたときのことです。
「こんにちは!」
と、ひとりの社員さんが私に向かって大きな声で挨拶しました。他の社員の方も次々と、
「こんにちは!」
「こんにちは!」
「こんにちは!」
と元気のよい挨拶を私に投げかけ、満面の笑みで迎えてくれました。
しかし、私が受けた印象は-いや、私だけでなく、そのときにいた人みんなが受けた印象だと思うのですが-彼らの笑顔はロボットのようなつくり笑いにしか見えなかったのです。
(中略)
笑顔で挨拶し言葉で表現してみても、心が伴っていなければ、つくりものであるのは一目瞭然です。ただ威勢がいいだけで、あまり気持ちのいいものではありません。それに、みんなばらばらに朝いつすると、すぐさま自分の仕事に戻ってしまう。
「あれ、これ、ほんとうに仲よく仕事してんのかなあ?」
そんな疑問すら浮かびます。強制でやらされているような感じもありますし、言葉のはしばしに、ひょうとっしてこの人たちはリーダーを尊敬していないのではなかろうか、という印象すら窺えたのです。
「こうなっちゃいけないな・・・・・・」
と、その会社は私の反面教師になったわけでして、私は、本当に心と心で繋がっていく人間関係をつくらなくてはならない、これが現代社会にたりないところだから、伝えなければと心を新たにしたのです。
・出典
忘れて捨てて許す生き方/塩沼亮潤、日々を生きる、人生の助言、p151~153
・関連場所、商品
0 件のコメント:
コメントを投稿