2015年1月30日金曜日

お坊さんの見分け方 忘れて捨てて許す生き方/塩沼亮潤

 難行苦行をしてしまうと、どうしてもそこだけにスポットライトが当たります。みなさんに興味を持っていただくのはありがたいことですが、苦行をやりぬいた人だけが偉いという感覚があるなら、それは違う解釈なのです。もし難行苦行のみを自慢しているようなお坊さんがいたら、「あれ?」と思ってください。それぞれの人生は、それぞれに難行苦行です。その難行苦行をいかに上手にいきていくか、いかに善なる方向へ転換できるかというのは、私たちひとりひとりに課せられた人生の行なのです。
 行にはじまりも終わりもあるように、人生も数十年という与えられた期間しかありません。その与えられた期間のなかで、できるだけ自分の心を高いところへもっていかなければなりません。だから宗教者は、みずからの体験で得た境地を伝えて、みなさんの人生のお手伝いをさせていただかなくてはいけません。
 師匠に教わったことを今、みなさんにお伝えし、また誰かが同じようなことをどこかで伝えていくのでしょう。

・出典
忘れて捨てて許す生き方/塩沼亮潤、日々を生きる、修行修行の落とし穴、p144,145

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