ヒマラヤ登山のサミットプッシュでは、最後は根性がものをいうような局面もしばしばあります。でも、ベースになるのはどう登るのかというタクティクスであり、それを実行するだけの技術だと考えています。
その技術が、かつてはそれほど評価されていなかった。理由は道具にあると思います。道具が良くなることで、技術も進歩する。まだ道具が良くなかった時代に、いまよりも体力や精神力が重視されたのは、仕方がないことだとも私は感じます。
道具の進化の目的は、安全性の確保です。しかし、山登りにおいての「安全性」という言葉は、しばしば誤解されます。新しい道具は楽に登るためにつくられるわけではない。より難しい挑戦をするためにつくられるのです。
・出典
登山の哲学/竹内洋岳、第四章 新しい自分を生きる、p140
・関連場所、商品
0 件のコメント:
コメントを投稿