ひとが自殺する主な理由といえば、病気や生活苦、人間関係などが挙げられる。いずれにせよなんらかの理由で精神を患い、自らの意思で命を絶ってしまうのだ。これはもしかしたら人間に"脳"といわれるものがあるからなのかもしれない。
2008年、マダガスカルで偶然発見されたとある巨大なヤシが注目を浴びている。その名こそ、自殺ヤシ。
この自殺ヤシは、ある日突然自ら死ぬことを決める驚くべき性質をもっている。では、植物が自殺する理由は一体なんなのだろうか。脳をもたない植物は、"生活が苦しくなった"とか、"生きていても希望がもてない"など理屈で考えて死ぬわけではない。つまり自殺の理由はまぎれもなく種の保存と子孫繁栄のためなのだ。
情勢が不安定なマダガスカルでは、政府が自然保護まで手が回っていないのが現状で、野生の自殺ヤシは30本ほどしかない。自殺ヤシは、ひとの手を借りることはできず、自分たちがまさに命を懸けて残りわずかな種の保存に尽力し、なんとか命を次世代につながなくてはならない。
理由は多々あれど、せっかく授かった命を自ら絶つひとが増えていることを自殺ヤシが知ったら、"なんともったいない"と嘆くことだろう。
・出典
そらみみ植物園/西畠清順、愛を語る植物、p134
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人間は自殺する唯一の動植物です。どんな動植物でも子孫繁栄のために、日々生きている。そう考えると人は、動物から離れて行っている唯一の種ではないだろうか。娯楽を求め、お金を求め、そうするうちにだんだん何が欲しいか分からなくなってきている。さてこれから私たちはどこへ向かうんでしょうか。
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