作品の完成度ももちろん重要ですが、「それ以上に"見えない部分と過程"が大事」というのは銀閣寺に伝わる活け花の特色でもあります。花の美しさより花を活ける場の支度、水を汲みに行くときの心の持ちようなど、活ける以前の過程が大事だという考え方なのです。
花の活け方にもそれは表れています。銀閣寺が教えている作法では、花瓶の中にわらを束ねた「こみわら」という花留めを用います。「こみわらにどれだけまっすぐに、枝や茎が交差しないように活けることができるか」ということが大切であり、花瓶の中にあって見ることができない部分が、その花においていちばん美しい部分とされています。目に見える花がどうでもいい、と言うわけではありません。そこに立てる花が美しければ美しいほど、花瓶の中身や、その花を用意するための過程がより引き立つことになるからです。
(中略)
珠寳先生は「過程が大事」と言ってくれた。
・出典
プラントハンター/西畠清順、銀閣寺の花、p198.199
・いけばな | 銀閣 慈照寺 研修道場
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人は目に見えるものだけを大事にしがちだけど、本当は目に見えないものにこそ価値がある。その見えないものを見ようとするか、そうしないかが問題ですね。
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