ぼくは、王子さまのふるさとの星は、小惑星、B−612番だと思っているのですが、そう思うには、ちゃんとしたわけがあります。その星は、一九◯九年に、トルコのある天文学者が、望遠鏡で、一度見たきりの星なのです。
そこで、その天文学者は、万国天文学会議で、じぶんが発見した星について、堂々と証明しました。ところが、着ている服が服だというので、だれも、その天文学者のいうことをほんとうにしませんでした。おとなというものは、そんなものです。
さいわい、B−612番の星の評判を傷つけまいというので、トルコのある王さまが、ヨーロッパ風の服を着ないと死刑にするというおふれをだしました。そこで、その天文学者は一九二◯年に、たいそう立派な服を着て、証明をしなおしました。すると、こんどは、みんなが天文学者のいうことをうけいれました。
・出典
星の王子さま/サン=テグジュペリ作 内藤 濯訳、4 p21~p23
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身なりで人を判断してはいけないと言いますが、最初は身なり、風貌で判断してしまいがちですよね。でも、喋っている言葉、行動で判断したいですね。
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