「おまえさんは、ほんとうにおれに関心してるかね?」と、うぬぼれ男が王子さまにたずねました」
「感心するって、それ、いったい、どういうこと?」
「でも、この星の上にいる人ったら、あんたひとりっきりじゃないの!」
「たのむからね、まあ、とにかく、おれに感心しておくれ」
「ぼく感心するよ」と、王子さまは、心もち肩をそびやかしながらいいました。「でも、人に感心されることが、なんで、そうおもしろいの?」
王子さまは、そういって、そこを立ち去りました。
おとなって、ほんとうにへんだな、と王子さまは、旅をつづけながら、むじゃきに思いました。
星の王子さま/サン=テグジュペリ作 内藤 濯訳、11 p66
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