2015年2月13日金曜日

見えてるのに、見えてないフリ 俺んち、やばくない!? 〜家族ではなく”族”を目指して〜/哀川翔

 俺はよく学校へ行ってるから、子どもたちを見てグレそうな予兆がわかる。親同士もたいてい知ってるから、その子の親に直接「子ども、おかしいよ」と言ったりもするけれど、ほとんどの親が「そんなことない」って言いきるね。
「じゃあ、学校に見にくれば?」って言っても、絶対に来ない。
 結局わかってるんだ、自分の子がグレはじめたって。見えてるのに、見えてないフリしてるだけ。
 そうなったら、たいてい次の学年には学校を辞めていなくなる。辞めたあとの子どもは、もう顔つきが変わるね。悪人の顔になる。悪人顏になったやつは、俺の顔を見ると逃げるよ。また怒られるんじゃないかと思って、目を逸らす。
 その悪人顏は俺たちの時代の「不良」とは違う顔をしてるよ。俺は不良って言われると昔懐かしいバンカラな番長みたいなイメージが湧くんだけど・・・・・・。それに、不良がする「悪さ」って主には喧嘩だけど、悪人顏の「悪さ」はちょっと違うんだ。
 そういうやつらが刃物を持ちだして人を斬りつけたりする。それはもう「不良」じゃなくて「犯罪者」だ。
 そうなるのも親が子どもと闘っていないからだよ。自分のことで精一杯で、闘う気力がないんだろうね。それじゃあ、子どもはついてこないし、家族はまとまらないよ。

・出典
俺んち、やばくない!? 〜家族ではなく””を目指して〜/哀川翔
第②章 子どもの学校にも出撃、p39,40

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