2015年2月3日火曜日

マニュアルより子どもを見て いなほ保育園の十二ヶ月/北原和子 聞き書き 塩野米松

 赤ちゃんっておっぽい飲んで、寝て、泣くだけと思っているのは大間違いです。赤ちゃんというのは可塑性が強くて、まだ真っ白だけれども、受け入れることは全部受け入れられるんです。だから子育てでは一番重大なときです。「いなほ」では、ゼロ歳児の保育をとても大切に思っています。
 昔の母親というのは暗黙のうちにそういうことを知っていて、適切に対応していたと思います。必要な語りかけをしたり、歌ってあげたり、抱きしめたり。そばにいれば話しかけるし、ひとり言は言うし・・・・・・。ゼロ歳はその子にとって、とても重大な時期なんですね。
 昔の親は理屈言わないで、みんな本能的にやってたんだと思うんです。だから子どもはみんな立派に、成績なんか悪くたって、丈夫に育ってますよ。多少ちっちゃく生まれようと何だろうと、親は必死になって育てて。でも、今はそういうのはなくて、頭だけはみんな立派ですね。嫌というほど、育児の本が出ていますでしょ。
 親の多くは、そのとおりに、マニュアルでやらないといけないと思ってますから、子どもを見てないんです。本のほうを見てて。
 「こういうときにはどうするの? え、これ口に突っ込めばいいの」
 極端に言うと、そういう対応です。とにかく赤ちゃんがなくとおしゃぶりをブっと突っ込んじゃうでしょう。泣きそうだと思ったらお菓子をパッとあげちゃうでしょう。一番大事な、赤ちゃんが泣きながら伝言していることを受け取ってあげないで・・・・・・気の毒です。

・出典

保育の基本は食べ物(2006年12月)、ゼロ歳児、p6

いまはマニュアルと説明書の社会ですね。ハウツー本がたくさん売れて、こんな時はこうすればいいよということ本から学ぶ。私もよく読みますが、ルール外のことが山ほど起こる人生では、ハウツーを押さえながらもう一工夫自分なりにやっていきたいです。

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