それは人が生きていく上での根幹に触れるものばかりであった。
多分私たちは大きな勘違いをしている。
病にかかれば、医者や薬に頼る。寒い日には暖房を入れ、暑ければクーラーを。遊びには道具が必要で、勉強には理想的な環境が。何もかも不足なものは補うのが当然だと思いこんでいないだろうか。
あれさえあれば、これがなかったら、あそこを変えたら、こういうものが欲しい。変えようのない自然の営みや季節さえも変えたいし、変えられると思いこんでしまった。
「薬なんか飲むよりも、病気にならない子に育てればいいんです。人間はみんなそういう力を持っているんです。ただ持っていることを忘れてしまったんです。忘れてしまうような社会になってしまったんです。」
「丈夫な体をつくればいいんです。そのためには与えすぎは禁物です。やってあげるのもだめ。子どもでもみんな自分が生きるという気持ちがなかったらだめですよ。体が育てば、感性が芽生えます。感性が芽生えてくれば、自然の美しさや生きることが喜びだってわかってくるんです。こんなことを教えようと思っても不可能です。生きるなかで
、できあがってくるものなんですから。」
「本来人は誰でもそういう力を持っています。障害のあるこどもでも、病の人でもみんな持っています。それを見つけ出し、伸ばしてやるのが私たちのできることではないですか」
・出典
北原和子さんといなほ保育園ー聞き書き者まえがきー、iv,v
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