2015年2月4日水曜日

教えられないこと いなほ保育園の十二ヶ月/北原和子 聞き書き 塩野米松

 先生たちも遠足には自分たちでお弁当を作っていきますけど、これだけ目一杯仕事をしていますから、とくにお願いしなくても園児の親たちが作ってくれたお弁当が届くんですよ。自然発生的なんです。ありがたいことですね。
 それでも、今日は先生たちが自分で作れるって思うときには差し入れは少ないのね。そういうときは必ずこっちもちゃんと用意しているんです。だから暗黙の了解ができているんです。お互いが何をして生きているかっていうことが、わかり合わないと、これはできないです。
 親も保育園の様子を見て、自分で考え、育つようになったんですね。
 これってすごく難しくて、他の人に教える話でもないし、教われる話でもないんですね。
 親御さんたちも、園を見ていて、そういうことだったらお手伝いできるわって思ったんじゃないですか。そうやって参加できるし、しなきゃいけないというふうに思ってくれているんでしょうね。園は園だけではなりたちませんからね。

・出典

行く先のない遠足(5月)、どこへ行くかわからない遠足、p87

古典芸のではありませんが、阿吽の呼吸で仕事を生活をしていく人は減ってきているんでしょうね。

0 件のコメント:

コメントを投稿