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2015年2月3日火曜日

心でさがす 星の王子さま/サン=テグジュペリ作 内藤 濯訳

 「きみの住んでいるとこの人たちったら、おなじ一つの庭で、バラの花を五千も作ってるけど、・・・・・・じぶんたちがなにがほしいのか、わからずにいるんだ」と、王子さまがいいました。
 「うん、わからずにいる・・・・・・」と、ぼくは答えました。
 「だけど、さがしているものは、たった一つのバラの花のなかにだって、すこしの水にだって、あるんだがなあ・・・・・・」
 「そうだとも」と、ぼくは答えました。
 すると、王子さまが、またつづけていいました。
 「だけど、目では、なにも見えないよ。心でさがさないとね」

・出典
星の王子さま/サン=テグジュペリ作 内藤 濯訳、25 p131,132

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2015年2月2日月曜日

根がない人間 星の王子さま/サン=テグジュペリ作 内藤 濯訳

 王子さまは砂漠をよこぎりましたが、たった一輪の花に出くわしたきりでした。花びらが三つの花でした。まったく、なんでもない花でした・・・・・
 「こんにちは」と、王子さまがいいました。
「こんにちは」と、花がいいました。
 「人間たち、どこにいるの?」と、王子さまは、ていねいにたずねました。
 花はある日、隊商の通ってゆくのを見たことがありました。
 「人間? 六、七人は、いるでしょうね。何年かまえに、見かけたことがありましたよ。だけど、どこであえるか、わかりませんねえ。風に吹かれてあるきまわるのです。根がないだから、たいへん不自由していますよ」
 「さよなら」と、王子さまがいいました。
 「さよなら」と、花がいいました。

・出典
星の王子さま/サン=テグジュペリ作 内藤 濯訳、18 p97,98

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・関連場所
星の王子さまミュージアム
http://www.tbs.co.jp/l-prince/

寄居 星の王子さまPA
http://www.lepetitprince.co.jp/top.html

ジブリの本棚から〜宮崎駿が選んだ一冊〜
http://www.bs4.jp/ghibli_hondana/onair/01.html

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おとなたちは数字がすき 星の王子さま/サン=テグジュペリ作 内藤 濯訳

 人間が地球上に占めいている場所は、ほんのわずかです。地球にすんでいる二十億の人が、おおきな集会でもするように、もし、心もち列をつめて立ったら、長さ二十マイル、幅二十マイルの広場に、らくにはいります。太平洋の、どんな小さな島にでも、人間全体が、つみかさなっていられるはずです。
 といったら、おとなたちは、もちろん、うそだと思うでしょう。というのも、人間は、たくさんの場所を占めていると思っているからです。バオバブと同じように、じぶんを御大層なものと思っているからです。だから、みなさんは、おとなたちに、計算なさい、とおすすめなさい。おとなたちは、とても数字がすきなんだから、そういったら、よろこぶでしょう。でも、みなさんは、そんなよけいなことしないで、ひまつぶししてはいけませんよ。どっちみち、なんにもならないころなんですからね。ね、そうでしょう。

・出典
星の王子さま/サン=テグジュペリ作 内藤 濯訳、17 p92,93

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2015年2月1日日曜日

感心しておくれ 星の王子さま/サン=テグジュペリ作 内藤 濯訳

「おまえさんは、ほんとうにおれに関心してるかね?」と、うぬぼれ男が王子さまにたずねました」
「感心するって、それ、いったい、どういうこと?」
「感心するっていうのはね、おれがこの星のうちで、一ばん美しくって、一ばんりっぱな服を着ていて、一ばんお金持ちで、それに、一ばん賢い人だと思うことだよ」
「でも、この星の上にいる人ったら、あんたひとりっきりじゃないの!」
「たのむからね、まあ、とにかく、おれに感心しておくれ」
「ぼく感心するよ」と、王子さまは、心もち肩をそびやかしながらいいました。「でも、人に感心されることが、なんで、そうおもしろいの?」
王子さまは、そういって、そこを立ち去りました。
 おとなって、ほんとうにへんだな、と王子さまは、旅をつづけながら、むじゃきに思いました。

・出典
星の王子さま/サン=テグジュペリ作 内藤 濯訳、11 p66

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すすはらい 星の王子さま/サン=テグジュペリ作 内藤 濯訳

 渡り鳥たちが、ほかの星に移り住むのを見た王子さまは、いいおりだと思って、ふるさとの星をあとにしたのだとぼくは思います。出発の日の朝、王子さまは、じぶんの星を、きちんと整理しました。念入りに活火山のすすはらいをしました。そういえば王子さまは、じぶんの星を、きちんと整理しました。念入りに活火山のすすはらいをしました。そういえば王子さまは、活火山を二つ持っていました。ですから、朝の食事をあたためるには、たいそうべんりでした。休火山も一つ持っていました。しかし、王子さまもいっていましたとおり、それが、まったく爆発しないとはかぎらないのです。だから、王子さまは、休火山のすすはらいもしました。火山というものは、よくすすはらいしておきさえすれば、爆発なんかしないで、しずかに規則ただしく煙をはくものなのです。火山の爆発は、煙突の火とかわりありません。この地球の上では、ぼくたち人間が、あんまり小さくて、火山のすすはらいするわけにいかないことは、いうまでもありません。だから、ぼくたちは、火山の爆発のために、さんざ、なやまされるのです。

・出典

9 p49,50

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知ろうとしない 星の王子さま/サン=テグジュペリ作 内藤 濯訳

 「ぼくの知ってある星に、赤黒っていう先生がいてね、その先生、花のにおいなんか、吸ったこともないし、星をながめたこともない。だあれも愛したことがなくて、していることといったら、寄せ算ばかりだ。そして日がな一日、きみみたいに、しそがしい、いそがしい、いそがしい、と口ぐせにいいながら、いばりくさっているんだ。そりゃひとじゃなくて、キノコなんだ」
「キノ・・・・・・?」
 「キノコなんだ」
 王子さまは、もうまっさおになっておこっていました。
 「花は、もうなん百万年も前から、トゲをつくっている。ヒツジもやっぱり、もうなん百万年も前から、花をたべている。でも、花が、なぜ、さんざ苦労して、なんの役にもたたないトゲをつくるのか、そのわけを知ろうというのが、だいじなことじゃないっていうのかい? ふとっちょの赤黒先生の寄せ算より、だいじなことなんじゃないっていうの? ぼくの星には、よそだとどこにもない、めずらしい花が一つあってね、ある朝、小さなヒツジが、うっかり、パクッとくっちまうようなことがあるってこと、ぼくが-このぼくが-知っているのに、きみ、それがだいじじゃないっていうの?」

 王子さまは、そういって、こんどは、顔を赤くしましたが、やがてまた、いいつづけました。
 「だれかが、なん百万もの星のどれかに咲いている、たった一輪の花がすきだったら、その人は、そのたくさんの星をながめるだけで、しあわせになれるんだよ。そして、〈ぼくのすきな花が、どこかにある〉と思っているんだ。それで、ヒツジが花をくうのは、その人の星という星が、とつぜん消えてなくなるようなものなんだけど、それもきみは、たいしたことじゃないっていうんだ」
 王子さまはそれきり、なにもいえませんでした。そして、にわかに、わっとなきだしてしまいました。(中略)
 涙の国って、ほんとうにふしぎなところですね。

・出典
星の王子さま/サン=テグジュペリ作 内藤 濯訳、6 p39~41

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服と証明 星の王子さま/サン=テグジュペリ作 内藤 濯訳

ぼくは、王子さまのふるさとの星は、小惑星、B−612番だと思っているのですが、そう思うには、ちゃんとしたわけがあります。その星は、一九◯九年に、トルコのある天文学者が、望遠鏡で、一度見たきりの星なのです。
そこで、その天文学者は、万国天文学会議で、じぶんが発見した星について、堂々と証明しました。
 ところが、着ている服が服だというので、だれも、その天文学者のいうことをほんとうにしませんでした。おとなというものは、そんなものです。
 さいわい、B−612番の星の評判を傷つけまいというので、トルコのある王さまが、ヨーロッパ風の服を着ないと死刑にするというおふれをだしました。そこで、その天文学者は一九二◯年に、たいそう立派な服を着て、証明をしなおしました。すると、こんどは、みんなが天文学者のいうことをうけいれました。

・出典
星の王子さま/サン=テグジュペリ作 内藤 濯訳、4 p21~p23

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身なりで人を判断してはいけないと言いますが、最初は身なり、風貌で判断してしまいがちですよね。でも、喋っている言葉、行動で判断したいですね。